おでん鍋のなか

たいや　ください　な
『うちは”たいやき専門店”だよ』
な　なんだってー　まちがえたー
『でもうちのたいやきは、のりものも食べられるよ』
よっつ　ください　な

もぐもぐもぐ
とてもおいしい
あんこ　が　ぎっしり　だ
「向こうに冬物のお店があるみたいよ」
よし　そこ　を　めざそう

#かばいののぼうけん

めち　ごん　おまたせ
「そろそろ冬タイヤにした方がいいんじゃない？　この辺は降るんでしょ」
だねー

よし
ぼうかんたいさく　も　かねて
ふゆたいや　を　さがし　に　いく　ぞー

#かばいののぼうけん

「あの２人もどこかに行ってしまったし、あたしたちも鼻の穴を目指しましょ」
はなのあな　かー
たいがーなんとかさん　とか　いるの　かな

ちじょう　に　もどる　と
あたり　は　もう　すっかり　ふゆげしき

あっ
めち　と　ごん　が　さむがってる　ぞ

#かばいののぼうけん

「今後の事を考えたら除霊スキルがほしいわ」
『でしたら秘密結社鼻の穴に行くといいでしょう』
「鼻の穴！」

『うえーんプリケツじゃなくなっちゃったよー』
『わたくしと一緒にきませんか。プリケツを取り戻すお手伝いをいたしますよ』

ぷりけつ　を　うしなう
なんて　かなしい　んだ！

#かばいののぼうけん

「唐揚げの……霊？？？」
『野生の唐揚げを食べる。それすなわち命をいただく行為。
　食べられた後霊となって捕食者を呪いますぞ』
「そんな物騒な存在だったの！？」

『憑かれたものは唐揚げを、またはもどきとなってかばいのを求めだすのです』
「今後除霊スキルいるかしらこれ」

#かばいののぼうけん

「あれは……しざーまん！？
　でも前に会ったことがあるような？」

わー
もどきなおし　の　ひと　だー
おひさしぶり　です

『娘からもどきと唐揚げの霊に取り憑かれたひとがいるとうかがいましたが、あなたでしたか』

#かばいののぼうけん

うわーん　たすけてー
『なぜボクはこんなことにー』

「ちゃんと元に戻ったみたいね。
　でも縄が切れないわ、どうしたものかしら」

えーん　えーん

”わたくしにお任せあれ。えいっ”

ちょっきーん
わあー

「あっ、あなたは！」

#かばいののぼうけん